作戦クリニック

3. 作戦を決めるときに考えること

ショットを選択する場合には、その状況に応じて
基本的な事をいくつか考える必要があります。大きく分けると、下の7つに分かれます。

1. フリーガードゾーンルール
2. エンド
3. スコア
4. ロック(ラストストーンの有無)
5. アビリティー(相手、自分のチーム)
6. アイスの状態
7. 残りのストーン数

初心者の場合には、これらの中でも4.のラストストーンの有無と、5.の相手チームと自分のチームの技術レベルが最も大切な項目です。
いいゲーム運びをするには、チームメンバー全員、特にスキップが、上の7つの事をよく理解している必要があります。


例えば、いま3エンド終わった時点で、2-1で勝っているとき、先攻であれば無理をせずクリーンなゲームを心がけるでしょう。また、ラストエンドで、1-4で負けていれば先攻後攻に関係なくオフェンス(攻め)をかけて、試合をイーブンに戻す努力をするでしょう。このように、試合の状況に応じて作戦は変化してきます。ヒントは、作戦を考えるとき、守りの作戦と攻めの作戦をいつも考えるくせをつけることです。作戦に、正解、不正解はありません。

次回から、上のそれぞれの項目について、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
右上の図は、4エンド目、3-2で勝っていて、次はセカンドの2投目(自分のチームは○)です。あなたなら、A: ガードする、B: 反対側にドローする、C: 相手のストーンをテイクアウトする、のどれを選びますか。また、その理由は?どのショットがオフェンスで、どれがディフェンス(守り)でしょうか。

4. フリーガードゾーンルール

  フリーガードゾーンは、右図の灰色で示した部分です。各エンド、相手チームと自分チームのリードの2投ずつ合わせて4投について(カナダの国内ルールでは最初の3投について)、このゾーンに静止している相手のストーンをプレイエリアから出してはいけないというルールです。もし、相手のストーンを出してしまうと、相手のストーンを元静止していた位置に戻し、自分のストーンは残っていればプレーから取り除かれます。フリーガードゾーンにある相手のストーンを、ハウスの中に押し込むのは、まだプレイエリアに残っているので構いません。


このルールを必ず使用しないといけないということではありません。但し、うまく使うと作戦にも幅が出てきます。例えば、試合が始まって間もないときにはあまりお勧めできません。まだ氷の状態や自分たちの調子がはっきりつかめていない間にハウスの前にストーンがたまり出すと、サードやスキップが投球する頃にはゴチャゴチャして、難しいショットを選ばないといけなくなるからです。また、まだ攻める必要のないとき、大きくリードしているときなども、わざとハウスの中に入り込んで、相手にテイクアウトを狙わせるようにします。逆に、大きくリードされていて点を取りたいときなどには、このルールを最大限に利用して、ハウスの前にわざとストーンをためるようにします。(ゴチャゴチャして難しくなるのを覚悟の上で)まずハウス前にガードを置き、その後チャンスを見計らってカム・アラウンドを狙います(急がば回れ)。普通は、先攻であればシートの中心、ハウスのまん前に、後攻のときは、コーナーガードを置きます。但し、アイスがストレートの(あまりカールしない)時は、先攻でも、後攻でもセンターを確保し、エンドの展開によってはのちにレイズでハウスの中に押し込むのを狙います。ハウスの中へのドローばかりでなく、普段からガードの練習もちゃんとしておきましょう.

5. エンド


 作戦を立てるとき、いま何エンド目をプレーしているのかを常に心得ていないといけません。主要大会では、10エンドのゲームを戦います。リーグ戦などでは、8エンドが一般的です。アイスの使用できる時間の関係で、6エンドやそれより短いこともあります。ここでは10エンドのゲームだとして話を進めます。
 通常ゲームを序盤(1~3エンド)、中盤(4~6エンド)、終盤(7~9エンド)、ラストエンドに分けて考えると作戦が立てやすくなります。
序盤では、先攻でも後攻でもまずアイスに慣れるのが先決で、ハウスの中にストーンを入れていって、テイクアウトを中心にクリーンなディフェンス(守り)の試合を心がけます。
 中盤は、アイスにも慣れて本来の実力を発揮できる機会です。先攻であれば大きくリードされていない限り(差が2点以内)ディフェンスを中心とした組み立てを考えます。後攻であれば無理をせずに2点取るチャンスをうかがいます。
 終盤やラストエンドでは、得点状況によって作戦も大きく変わります。終盤に先攻で3点以上リードされている場合には、オフェンス(攻め)に徹します。ハウスの前にストーンをためていって、危険を覚悟の上でスチールを狙います。緊迫したゲーム(得点差が2点以内)では、ディフェンスが中心になりますが、サードの2投目あるいはスキップのショットでチャンスがあればスチールを狙ってもいいでしょう。後攻の場合は、リードしていれば無理をする必要はありません。大きく負けているときには、ラストストーンの利点を生かしてまず2点を確実に取ることを考えましょう。ラストエンドでは、先攻の場合相手を最小得点に抑えて、勝つもしくは同点でエキストラエンドを後攻で迎えることを考えます。後攻の場合リードしていればクリーンな試合を心がけて、相手につけいるすきを与えないようにします。負けているときには点を取って勝つことを考え、でなければ少なくとも同点に持ち込み、エキストラエンドは先攻になりますがスチールを狙います。
 試合をすればするほど自信とノウハウ(知識)が蓄積します。チームメイト全員がいま何をしたいのか良く理解しているのも非常に大切なことです。
 右上の図で、自分は黒のチーム。5エンド目、2-1で勝っていてセカンドの2投目。ガードをしますか、それともハウスの反対側にドローしますか。またそれはどうして?